風水の説明の多くは、家を選べる人・変えられる人に向けて書かれています。玄関を広くする、水回りの位置を考える、間取りを見直す。賃貸だと、そのほとんどが該当しません。

ここでは制約を先に置きます。 方位は選べない、間取りは変えられない、壁に穴は開けられない、原状回復が要る。この4つを前提にして、何が残るかを書きます。

何が変えられて、何が変えられないか

変えられない

方位、間取り、窓の位置と数、水回りの場所、壁と床。

変えられる

判断材料に入れないと決めてください。変えられないことを問題にすると、対処法を買うところにしか着地しません。

風水の基本に書いたとおり、この体系の使いどころは「どこから手をつけるかの順番が決まる」ことです。賃貸では、その順番がさらに絞られます。

賃貸で実際に手が入る順番

確実に効く好みの話
  1. 01床に置いてあるものを減らす

    掃除の手間が一定を超えると、人はやらなくなります。床が空いているだけで、拭ける状態が保てます。方位も色も関係なく、誰にでもできます。

  2. 02玄関のたたきを空ける

    どの流派でも最初に挙がる場所です。靴を全部しまうところまでで足ります。狭い玄関ほど、置いてあるものの割合が大きくなります。

  3. 03照明を足す

    賃貸は照明が最低限のことが多く、部屋が暗く見えます。工事の要らないスタンド照明で変わります。窓を拭くほうが先に効くこともあります。

  4. 04布ものを替える

    カーテン、マット、カバー。面積が大きいので印象が動きます。原状回復にも関わりません。

  5. 05方位や色を考える

    ここまでやってから。順番を飛ばして色から入ると、片づいていない部屋に物が増えるだけになります。

1と2で、たいていの人は違いを感じます。 3以降は好みの範囲です。

賃貸ならではの注意点

鏡は、方位より先に安全で決める

鏡の置き方に書いた方位の話は、賃貸では選べないことが多くなります。壁に固定できないので、立てかけ式か粘着式になります。

立てかけは倒れます。子どもやペットがいる場合、方位のいい場所より倒れても人に当たらない場所を先に決めてください。粘着式は原状回復の問題が出るので、剥がせるものかを確認してから貼ります。

盛り塩は、置き場所を選ぶ

盛り塩は賃貸でも問題なくできますが、共用部には置かないでください。 玄関の外は共用部にあたることが多く、管理規約で禁じられている場合があります。

置くなら室内側です。週に一度替える習慣は、そのまま玄関を点検する機会になります。

観葉植物は、水と虫を考える

観葉植物は、賃貸だと2つ問題が増えます。受け皿の水が床に染みることと、土から虫が出ることです。

床が傷むと退去時に響きます。防水の受け皿を敷くか、土を使わない育て方のものを選んでください。窓のない場所には置けない、という前提は賃貸でも同じです。

狭い部屋では、動線が先に効く

リビングの風水に書いた動線の話は、狭い部屋ほど効きます。

広い部屋なら多少物があっても通れますが、6畳だと家具ひとつで通り道が変わります。風水の言う「気の流れ」を、人の動きやすさと読み替えると、そのまま部屋の使い勝手の話になります。

確かめ方は簡単です。玄関から寝るところまで、まっすぐ歩けるか。 途中で体を横にする場所があるなら、そこに何かがあります。

引っ越すときに見るなら

これから選べる立場なら、方位を材料に入れて構いません。ただし引っ越しの方位に書いたとおり、優先順位は下げてください。

賃貸で毎日効いてくるのは、通勤時間・日当たり・家賃・音です。方位のいい暮らしにくい部屋は、暮らしにくいままです。

内見のときに見るなら、方位そのものよりその方位が生む条件を見てください。北向きの部屋が実際に寒いか、西向きの部屋が実際に暑いか。鬼門・裏鬼門の由来をたどっても、行き着くのはこの話です。