引っ越しは、方位の話がいちばん実害を生みやすい場面です。家はそう何度も変えられないうえ、判断を誤ると毎日効いてくるためです。
吉方位は流儀で答えが変わる
吉方位を見る方法は一つではありません。よく使われるのは、生年月日から本命星を出して、年や月の盤と照らし合わせる流儀です。
ただし、次のような点で流儀ごとに違いが出ます。
| 分かれるところ | 中身 |
|---|---|
| 年の区切り | 立春からとするか、元日からとするか |
| 見る盤 | 年盤だけか、月盤・日盤まで見るか |
| 起点 | いまの住まいからか、生まれた場所からか |
| 距離 | 何キロ以上の移動を「方位を取る」と数えるか |
同じ人が同じ日に引っ越しても、流儀が違えば吉にも凶にもなります。 どれかが正しいという決着はついていません。
だから「調べたら凶方位だった」という結果は、別の流儀では違う答えになる可能性があります。ここを知らないまま一つの結果に縛られると、選べる物件が理由なく減ります。
先に決める4つ
物件を見るときの優先順位です。
01通勤・通学の時間
毎日2回、何年も効きます。片道15分の差は、1年で100時間を超えます。
02日当たりと風通し
風水が言う「気」に、いちばん近い実測できる要素です。内見はできれば日中に。
03家賃と初期費用
生活の余裕に直結します。方位を理由に予算を超えると、そのぶん別のところが削られます。
04周辺の環境
買い物、騒音、街灯。夜にも一度歩いてみると、昼と印象が違うことがあります。
ここまで見て候補が複数残ったとき、その中から方位で選ぶ。これなら方位を使っても損をしません。
方位を先に置くと何が起きるか
順番を逆にすると、こうなります。
方位を先に置いた場合
吉方位の物件だけを探す。候補が数件に減る。
条件を先に置いた場合
条件が悪くても「方位が良いから」で決める。
方位を使うこと自体は問題ではありません。 順番だけの話です。
内見で確かめられること
方位の話を、その場で確かめられる形に翻訳すると実用になります。
- 北東の部屋が、実際に冷えていないか(冬の底冷え)
- 南西の部屋に、西日がどれくらい入るか(夏の室温)
- 水回りに窓か換気扇があるか(湿気とカビ)
- 玄関に、靴以外を置く余地があるか(物が溜まる場所)
- 洗濯物を干す場所が、日の当たるところにあるか
鬼門・裏鬼門の記事にも書きましたが、方位が問題にされてきた背景には、その方位が生む温度や湿気の条件があります。 方位そのものを気にするより、条件を直接確かめるほうが確かです。
引っ越したあとにできること
すでに住んでいる家の方位は変えられません。できるのは手入れの側だけです。
玄関、トイレ、キッチンについては、それぞれ別に書きました。どれも「置くものより先に、続けられる仕組みを作る」という同じ話です。
「凶方位だから」と言われたら
引っ越しを止められたり、対策を勧められたりすることがあります。判断の材料を置いておきます。
何かが起きると断定できる根拠はありません。 そして、起きなかったことは確かめられないので、「対策したから防げた」という説明はあとから何とでも言えます。この形の話には根拠がありません。
金額が実用の範囲を大きく超えるものを勧められたら、その場で決めないでください。急がせる説明そのものが判断の材料になります。