風水は、方位と環境の関係を体系にした考え方です。中国で生まれ、日本にも古くから伝わっています。家相・家づくり・墓の位置など、扱う範囲は流派によってかなり違います。
先に、このサイトの立場をはっきりさせておきます。
何を見る考え方なのか
風水が扱うのは、大きく2つです。
方位
八方位(東・西・南・北と、その間の4つ)に意味を割り当て、場所ごとに向き不向きを考えます。
環境
流派によって割り当てが違い、同じ方位でも解釈が分かれます。
このうち、環境のほうは理屈が通ります。 玄関が物であふれていれば出入りしにくく、水回りが汚れていれば気持ちよく使えません。風水が言う「気の流れ」を、そのまま人の動きやすさと読み替えると、実用の部分が残ります。
方位のほうは、流派で解釈が分かれる時点で、絶対的な基準としては扱えません。判断の枠組みのひとつとして使うのが妥当です。
五行という分け方
風水では、ものごとを木・火・土・金・水の5つに分類します。これを五行と呼びます。
- 木
- 成長・春・東
- 火
- 熱・夏・南
- 土
- 安定・中央
- 金
- 収穫・秋・西
- 水
- 貯める・冬・北
要は、5つあることではなく並び順です。 隣どうしは生む関係、ひとつ飛ばしは打ち消す関係。木は火を生み、火は土を生む。木は土の養分を吸い、土は水をせき止める。5つを円に置くと、この関係がそのまま形になります。
細部は流派で違いますし、覚えなくても実用には支障ありません。そういう枠組みがある、という程度で十分です。
どこから手をつけるか
流派を問わず、最初に挙がるのが玄関です。
- 1
玄関の床に置いてあるものを、いったん全部どける
靴、傘、段ボール。床が見える状態を作ります。方位も色も関係なく、誰にでもできます。
- 2
毎日使うものだけを戻す
戻す量を決めてから戻すのが要点です。「入る分だけ」にすると、また同じ状態になります。
- 3
次に水回りを見る
洗面所・トイレ・風呂。汚れが溜まりやすく、放置すると気づかなくなる場所です。
- 4
寝室は、頭の向きより先に光と音を見る
方位を気にする人が多いところですが、実際に眠りに効くのは光と音です。方位はそのあとで構いません。
見てのとおり、やることは整理と掃除です。風水の枠組みを借りると、どこから手をつけるかの順番が決まる——ここが実用として役に立つ部分だと考えています。
方位を優先しすぎないこと
引っ越しの相談でよくあるのが、方位を理由に条件の悪い物件を選んでしまう例です。
暮らしにくい家は、方位が良くても暮らしにくいです。通勤時間、日当たり、家賃、周辺の環境。これらは毎日効いてきます。方位はそのあとの判断材料として置くほうが、結果的に納得しやすくなります。
- 通勤・通学にかかる時間
- 日当たりと風通し(風水の言う「気」に最も近い、実測できる要素)
- 家賃と初期費用
- 周辺の生活環境(買い物・騒音)
- そのうえで、方位や間取りの気になる点
迷いが残るとき
方位や間取りで判断がつかないとき、人に相談するという選択肢もあります。占い師によって扱う占術は違い、風水や家相を専門にしている人もいます。
ただし、「この方位でないと良くないことが起きる」と不安を煽る説明には注意してください。 判断の材料を増やすための相談であって、恐怖で決めさせるものではありません。
風水は意思決定の材料のひとつであって、医療・法律・お金の専門的な判断に代わるものではありません。住まいの安全性や法的な条件については、それぞれの専門家に確認してください。