占いの結果を読んで「当たっている」と感じたことがあるなら、その感じ方には名前が付いています。バーナム効果といいます。
占いを扱っているサイトで書くことではないかもしれませんが、知ったうえで使うほうが、結局は長く使えます。
誰にでも当てはまる文
1940年代に行われた実験があります。学生に性格診断を受けさせ、その結果として全員に同じ文章を配ったところ、多くの学生が「自分によく当てはまる」と評価した、というものです。
配られた文章は、たとえばこういう調子のものでした。
人から好かれたいと思っているが、自分に対しては批判的なところがある。 外向的に振る舞うこともあれば、内にこもることもある。 まだ活かしきれていない力を持っている。
読んで、当てはまると感じたはずです。当てはまるように書いてあるからです。
3つの仕掛けを分解する
01両方の面を含める
「外向的なこともあれば、内にこもることもある」。人はどちらの面も持っているので、必ずどちらかが当たります。外れようがない書き方です。
02肯定的に書く
「まだ活かしきれていない力がある」。否定されると人は反発しますが、肯定されると受け入れます。受け入れたものは、当たったことになります。
03具体的に見せる
数字や場面を入れると、内容が同じでも具体的に感じます。「30代の後半に転機がある」は、実際には何も言っていません。
04本人に埋めさせる
「近くに、力になってくれる人がいます」。誰のことかは本人が当てはめます。当てはめた時点で、当たったことになります。
4つ目がいちばん効きます。 空欄を作って本人に埋めさせると、埋めた人は自分で作った答えを、外から来たものとして受け取ります。
それでも残るもの
ここまで書くと、占いには何もないように読めます。そうは考えていません。
分けてほしいのは、当てることと、動くきっかけになることです。
当てるものとして使う
「彼はどう思っているか」を当ててもらう。
材料として使う
確かめる方法がありません。 当たったかどうかは、結局こちらの解釈で決まります。
同じ鑑定でも、聞き方が違うと持ち帰るものが変わります。何を話せばいいかに書いた「聞きたいことを1文にする」という準備は、ここに効きます。
気をつけたほうがいい形
仕掛けそのものは、悪いものではありません。問題になるのは、不安と組み合わさったときです。
- 「あなたには因縁がある」など、確かめようのないことを前提に置いてくる
- 「このままだと良くないことが起きる」と、起きていないことを根拠にする
- 外れたときに「まだ時期が来ていない」と説明が伸びる
- 当たったときだけ「言ったとおりでしょう」と数える
- 対処法として、買うもの以外が示されない
3つ目と4つ目は対になっています。 当たったときだけ数え、外れたときは条件を足す。この形にすると、どんな予言も外れなくなります。
反証できない主張は、判断の材料になりません。占いに頼りすぎていると感じたらにも同じことを書きました。
自分で確かめる方法
ひとつだけ、簡単な方法があります。
鑑定の内容を、その場でメモに書いてください。 日付を入れて、言われたことをそのまま。あとから読み返すと、記憶がどう変わっていたかが分かります。
人は、当たった部分だけを覚えています。書いておくと、覚えていなかったほうが見えます。それでも役に立ったと思えるなら、その鑑定は良かったということです。
占術によって、性質が違う
鑑定方法の違いにも書きましたが、占術には規則で決まるものと、読み手に委ねられるものがあります。
四柱推命や西洋占星術は、生年月日から出る図が決まっています。同じ人を見れば、誰が読んでも同じ図になります。変わるのは、その図をどう言葉にするかです。
タロットや霊感を用いる鑑定は、出るものが毎回変わります。再現しないので、当てるものとしてはさらに扱いにくく、角度をもらうものとしては使いやすい。 向き不向きが、はっきり分かれます。