1枚引きは、カードを1枚だけ引いて読む、いちばん簡単なタロットの使い方です。複数枚を並べるスプレッドと違って配置を覚える必要がなく、引いたあとに考えることも1枚ぶんで済みます。
ただし「簡単」なのは手順だけで、読むところは同じだけ難しさがあります。ここでは、引く前に決めておくことと、引いたあとに何を見るかを順に書きます。
引く前に、質問を1つに絞る
1枚引きでいちばん結果を左右するのは、実は札そのものではなく質問の立て方です。
うまくいきにくい質問
「これからどうなりますか」——範囲が広すぎて、どの札が出ても当てはまります。
言い換えた質問
「AとB、どちらが正解ですか」——1枚では二択の判定ができません。
言い換えたほうは、どれも「引いたあとに自分が何かを決められる」形になっています。1枚引きは答えを当てる道具ではなく、考える角度を1つ増やすための道具だと考えると、質問の形が定まります。
引いたあとに見る順番
札が出たら、解説書を開く前に次の順で見てください。
- 1
絵の中で、いちばん目を引いたものを1つ言葉にする
「塔なら落雷」「星なら水を注ぐ器」といった具合です。正しい答えはありません。その日の自分が何に反応したかが、そのまま手がかりになります。
- 2
番号を見る
大アルカナには0から21までの番号があります。おおまかには、番号が小さいほど手元でできることの話、大きいほど自分の努力の外にある要素の話に寄ります。番号がどのあたりかを見るだけでも、読みの方向が定まります。
- 3
そこで初めて、意味の解説を読む
先に絵を見ておくと、解説の言葉が絵のどこに結びつくのかが分かります。順序を逆にすると、解説を覚えるだけの作業になり、札が記憶に残りません。
番号の並びについては大アルカナの並びと読みはじめの順番にまとめています。
「合わない」と感じたときの扱い
引いた札が状況にまったく結びつかないことは、しばらく続けていれば必ず起こります。
このとき、引き直すのはおすすめしません。望む札が出るまで繰り返す形になり、そもそも読みの材料になりません。代わりに、次のどちらかで扱ってください。
- 保留にする。 その日は結びつかなくて構いません。何日か経ってから見返すと、意味がつながることがあります。
- 質問のほうを見直す。 札が合わないのではなく、質問が広すぎた場合がかなりあります。
記録をとると、覚える速度が変わる
1枚引きを続けるなら、短くていいので記録を残してください。書くのは2つだけで十分です。
- その日引いた札と、絵で目を引いた要素
- その日に思い当たったこと(無ければ「なし」)
解説書の言葉ではなく自分の言葉で残るので、同じ札が次に出たときの手がかりが増えます。1か月ぶんも溜まると、自分がどの札にどう反応しやすいかの癖が見えてきます。
デッキを持っていないなら
ウェイト版の標準的なものが1組あれば足ります。絵柄に数字と場面が描き込まれて いるので、解説と照らし合わせやすいためです。
ひとつ断っておくと、この手のデッキに付いてくる日本語の小冊子は簡素です。 札の名前を確かめる程度のもので、読み方の教材ではありません。実際、低評価の レビューでいちばん多いのがその指摘で、10年前から同じことが書かれています。
読み方はこの記事と大アルカナの並びで 足りるように書いているので、そちらを併用してください。
試してみる
なお、タロットは意思決定の材料のひとつであって、医療・法律・お金の専門的な判断に代わるものではありません。重い決断のときは、それぞれの専門家に相談してください。自分で読むのが難しい場面や、話しながら整理したい場面では、人に見てもらうという選択肢もあります。